私(さっとん)はアンドロイド携帯を使っていますが、アンドロイド携帯には、Googleから、自分にベストマッチのニュースがピックアップされて携帯のフィードに降ってきます。
その中の一つに、イギリスのお酒のメディア:spirits businessによって書かれた記事で、ちょっと深刻ながらも不謹慎に笑ってしまった記事がありました。
その内容とは、ヘンドリックジンを模倣した様なジンが存在していて、それが本家本元のヘンドリックスジンの製造会社:William Grant & Sonsから訴訟されている、というニュースです。
スコットランドのエジンバラで訴訟が行われていて、その判決が出たそうです。
目次
まず、Hendrick’s Gin ヘンドリックジンとは
クラフトジン好きなら知らない人がいない、今やメジャーなジンへと成長したクラフトジンです。
スコッチウイスキーでも有名な超巨大企業、William Grant & Sonsによって作られており、1999年のリリースの後、数々の世界コンテストで受賞をされていて、今では押すも押されぬジンのビッグブランドです。
特徴として、”きゅうり”と”バラ”がボタニカル(スパイス、ハーブ、フルーツの皮などの原材料)として使われていることから、華やかながら瑞々しい味を持っています。
日本のサイトと本家イギリスのサイトがありますので、ご参考頂ければと。
訴訟されているジン ハムステッドジン Hamstead gin
Lidlによるプライベートブランド
今回注目されているジン “ハムステッドジン Hamstead gin”
作っているのは、ドイツを拠点に持ち、ヨーロッパ20か国以上で展開しているディスカウントスーパーの“Lidl (リドル)”です。
ヨーロッパ人にはお馴染みのスーパーです。
そのLidlが作っている自社開発製品が、今回注目されているハムステッドジンです。
話題のハムステッドジン
ハムステッドジン自体はかなり前から存在しているようで、Lidlの売り場やLidlのECサイトで売られています。
インターネット上で日本での販売は確認できなかったので、日本に輸入はされてなかったのかと思います。
インスタグラムの投稿から拝借してきましたが、以前のボトルはこの様なボトルです。
この投稿をInstagramで見る
特に個性的な点も無く、よくあるタイプのボトルですね。
価格もお手頃で、500ml / 10 ポンド(現在の換算レートで1500円ほど)でイギリスで販売されているようです。
ここから2020年冬にボトルデザインや内容量などが改訂されているのですが、問題になっている改定後のHampstead ginがこちらです!!!
盗用疑惑!!?
こちらもインスタから拝借してきました。
これ、投稿している人も「hendricksgin vs hampsteadgin」とか書いているので、半分面白がって書いている感がまたなんとも。
私(さっとん)の嫁に見せた所
まあ誰が見てもそう思いますよね。。。。
そして、このインスタ投稿には、「どちらがヘンドリックスジンか当てられなかった」とも書いてあるので味も似ているのでしょう。。。
盗用とされている点と訴訟の論点
2020年改訂後のそっくりな点
改定後のハムステッドジン、下記の点がヘンドリックスジンに似ているということで問題になっています。
- ボトルの形と色
- ダイヤ型のラベル
- ボタニカルをラベルに描いている点(ヘンドリックスはジュニパーベリー、ハムステッドはきゅうり)
- 両方のジンにきゅうりがボタニカルとして使われていますが、きゅうりをラベルに描くことによってヘンドリックスジンを連想させる
- ハムステッドは、以前は500mlのボトルだったけれど、改訂によってヘンドリックスと同じ700mlになっている
- アルコール度数が41.4%に変更されたが、ヘンドリックスジンと同じ度数
もう、あからさまとしか見えないんですが。。
それでもLidl側の言い分としては、「他の平均的なジンのボトルと同じような緑色のボトルです。」と、あくまでパクリではないとの主張です。
訴訟の論点
②Lidlに買い物に来る客に、ヘンドリックスジンと勘違いさせてハムステッドジン買わせて利益を得ようとしてないか
①は大前提として、②はそりゃ問題になりますよね。
ヘンドリックスジンは、世界的に有名なブランドでファンも相当に多い。
その上、ジンの入門編メジャーブランドとして扱われていることも多いです。
そのヘンドリックスジンを買おうと思って来て、家に帰ってよく見てみたらハムステッドジンだった、とかありえないですよね。。。
「ヘンドリックスジンに便乗して、Lidlが利益を得ようとしているかどうか」という点が今回の裁判の中心的な論点になっているようです。
スコットランド裁判所の出した判決と顛末
- 今回のボトルは、顧客をだます意思があるかどうかは別として、偶然にも同じようなボトルデザインになったとは考えづらい。
- そして、そのことはヘンドリックスジンのブランドイメージを毀損するリスクもある。
- それらの点から、似ている新ボトルデザインのハムステッドジンをLidlの売り場に置くことを禁ずる。
- 改訂前のボトルや、また新たなデザインのボトルをリリースするのであれば、ハムステッドジンをそのまま販売可能。
- しかし、この処置はスコットランドのLidlにのみ適用可能。
という訳で、やはりデザイン盗用の疑惑は免れないとのことで、このボトルをスコットランドのLidlで販売中止にするという処置が下りました。
しかし、Lidl側は納得してないようです。
Lidl said it was disappointed by the ruling.A spokesman said: “We note the court’s decision and have closely adhered to the requirements outlined within the ruling.“We continue to liaise directly with the parties involved and hope to reach a satisfactory resolution in due course.”
この判決には従うが、「失望した」と感じているようです。
そして、納得いくような解決策を模索していきたいと述べています。
Lidlのハートの強さ、ハンパね~。。。
最後に
いや~、こういうこともあるんですね~。
海外のニュースですが、なかなかに衝撃的だったので当ブログでシェアさせて頂きました。
ジン好き同士の話のネタの1つとして楽しんでもらえると嬉しいです。
では、今回もお読み頂きありがとうございました!
※今回、下記英国メディアを参照させて頂きました。
https://www.bbc.com/news/uk-scotland-edinburgh-east-fife-57236414