今回の記事では、ハーブ・タイムについて解説していきます。
目次
タイムとは
英語表記 Thyme
別名 コモンタイム、フレンチタイム
シソ科の植物で、イブキジャコウソウ属 (Thymus) の植物の総称です。
今回は、一般的に入手できるコモンタイムについて取り上げますが、タイムが属するティムス属には60種類以上の品種があり、オレンジタイム、レモンタイム、ワイルドタイムなど多岐にわたります。
原産地は、ヨーロッパ全域や北アフリカなどで、特にヨーロッパで広く料理に使われたり、アロマとして使われたりしています。
タイムの歴史
最初に歴史の登場したのは紀元前2000~3000年以上前で、エジプトでミイラを作成する際に防腐剤として使われていたとのことです。
また古代メソポタミア時代にシュメール人によって使われていましたが、乾燥タイムを粉にして、洋ナシやフィグなどの果物と一緒に水に漬け込み、それを湿布として使っていました。
タイムは抗菌・防腐の効用があるので、古代ローマ時代になると、ローマ人たちは部屋にタイムをまいて部屋の清浄用に使ってました。
また、タイムを焚くことによって、害虫を寄せ付けないという効果もあったそうです。
ヨーロッパの伝承では、タイムは精霊の住処ということも言われており、聖なる儀式でお香として使われていたりもしました。
同じくローマ時代には、抗菌・防腐作用が強いので、食べ物の保存や、一緒に調理して細菌から胃腸を守ることもできるということで、調理の観点からもとても重宝されるようになりました。
ハーブ療法が発達した前近年では、メディカルハーブとしても非常に多くの場面で扱われ、呼吸器器官の治療用にも用いられるようにもなりました。
また、抗菌の用途から、マウスウォッシュなどにも使われるようになり、現代でも湿布やマウスウォッシュにはタイムの成分が入っているものがあります。
タイムの香りと効能
タイムの香りは、グリーンがかったすっきりとした香りを持ち、とても爽快感があります。
タイムの葉に含まれるチモールという成分が含まれており、その効能としましては、紀元前から使われるているように、抗菌・防腐にとても強い効果を発揮します。
抗菌の観点から見ると、感染症予防などにも非常に効果的であり、うがい薬の成分として使われていたり風邪やインフルエンザの予防などにも非常に役立ちます。
抗菌・防腐という効果のみで言うと、ハーブの中でもナンバーワンと言えるでしょう。
精製されてアロマオイルとしてもよく使われます。
その効能として、スッキリした香りが精神的なストレスを抑え、活力を奮い起こしてくれたりということもあります。
オイルにしても抗菌作用は強く、細菌の繁殖を抑制したり、風邪の予防にも効いたりと、非常に多岐にわたって使われています。
タイムの味と使われる料理
タイムは、口に入れた瞬間はピリッと刺激があってほろ苦い味がするのですが、後味が非常にスッキリしており爽快感を味わうことができます。
フランス料理やイタリア料理などのヨーロッパの料理には欠かせないハーブで、肉・魚・野菜料理からお菓子まで、様々な場面で活躍します。
ラタトゥイユなどのトマト系の料理
ラタトゥイユはフランス・ニース地方の名物で、ナスやズッキーニ、玉ねぎ、パプリカなどの夏野菜をニンニクとオリーブオイルで炒めて、その後にトマトで煮込んだ料理です。
トマトと相性の良いハーブはオレガノやバジルなどもありますが、野菜たっぷり系はタイムの爽快感と合わせるとなお引き立つので、個人的にはタイムが一番のオススメです。
トマトソースとの相性がバツグンなので、パスタのトマト系ソースに混ぜてもとても美味しいし、トマト系のオーブン料理でも風味付けとして非常に約に立ちます。
シンプルに、タイムと塩コショウをして夏野菜をオーブンで焼くだけでも本当に美味しいですよ~。
肉料理にも
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ヨーロッパに行くと、肉料理にもかなりの頻度でタイムが使われています。
焼く、炒める、オーブン調理などあらゆる場面で登場するので、とても使い勝手が良いです。
ハーブ類は油にその成分が溶けますので、肉汁にその爽快感の風味が移り、脂っこく感じなくできるという利点があります。
また、肉の臭み消しにも役立ちますので、調理する際に一緒に調理してもよし、マリネ液に漬け込んで一晩おくのもありです。
ラム肉などは特に臭みもありますので、とても有効です。
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ピクルス
古代から抗菌・防腐に役立てられていたので、ピクルスなどの長期間漬け込む料理にもとても向いています。
タイムの爽快感のある風味も付けられますので、かなりの頻度でピクルスのレシピに登場してきます。
ブーケガルニ
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フランスやイギリスで煮込み料理に使われる、数種類のハーブを束ねたものです。
ローリエ、タイム、パセリ、タラゴンなどが主に使われます。
スープや煮込み料理の風味付けと肉の臭み消しに有効で、家庭料理からプロまで幅広く使われています。
クッキーなどのお菓子にも
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タイムの風味はお菓子に利用されることもあり、とりわけレモンとの相性が良く、レモン系の風味のお菓子にもよく使われます。
また、レモンブレッドなどのパンにも風味付けとして登場します。
レモンタイムクッキーはさっぱりしていて、本当に美味しいんですよね~。
最後に
今回の記事ではタイムについて解説させて頂きました。
防腐・抗菌効果がとても高く、メディカルハーブとしても相当の優れもので、細菌などの微生物の悪影響を軽減できるという凄い力を持ちます。
料理の場面でも相当に活躍し、清涼感を持つ風味を食材に付けられることはもちろん、細菌の悪影響を軽減できる効果から食の健康面にもとても貢献しています。
では、次の記事では、タイムが使われているジンを紹介していきたいと思います。
また、他のスパイス&ハーブについても解説しておりますので、下記一覧のページからチェックしていただけるととても嬉しいです。