日本の洋酒メーカーの超大手であり、世界中にファンがいる「ニッカウヰスキー」がジンも作っていることをご存じでしょうか?『ニッカカフェジン』という名前で、ジャパニーズジンのシーンを牽引してきた銘柄の1つであり世界的にも有名です。
そしてついに、世界的なジンのコンペティション「World Gin Awards 2022」において、Japanese contemporary部門の最高賞である「Country Winner」に輝きました!!
なにを隠そう、私(さっとん)はかねてから、『ニッカカフェジン』がマイフェイバリットジンBEST 3に入れる程好きなジンだったので、この報せを聞いた時には狂喜しました!!
今回の記事では、そんな『ニッカカフェジン』の魅力について語りたいと思います。
目次
ニッカカフェジンとは
ニッカウヰスキー株式会社が製造
ジャパニーズウイスキーの中では有名なメーカー「ニッカウヰスキー株式会社(以下:ニッカ)」によって作られています。
ニッカは1995年から『ウヰルキンソン・ジン』を製造・販売していましたが、ついに2017年にプレミアムジンである『ニッカカフェジン』をリリースするに至りました。同じカフェシリーズとしては、グレーンウイスキーの『カフェグレーン』、ウォッカの『カフェウォッカ』などの蒸留酒も存在していて、どれも高い評価を受けています。
”カフェ”はコーヒーの意味じゃない 「カフェ式連続式蒸溜機」で蒸溜されるスピリッツ
今思うと恥ずかしいのですが、ジンを飲み始めてた頃のわたしは、↓みたいなことを思っていました。
事実は全然違くて、「カフェ式連続式蒸溜機(カフェスチル)」という蒸溜器で蒸溜されたベースとなるアルコール(ベーススピリッツ)を使用して作られるジンということです。
『ニッカ カフェジン』『ニッカ カフェウオッカ』は、世界的に稀少となった伝統的な連続式蒸溜機「カフェスチル」でつくられたプレミアムジン・ウオッカです。「カフェスチル」は旧式で蒸溜効率が良いとは言えない反面、抽出された蒸溜液に原料由来の香りや成分が残ることから個性的な味わいに仕上がります。新ブランドは、「カフェスチル」から生まれる味わいを十分に活かし、卓越したブレンド技術と知見を集約したニッカウヰスキーならではの革新的なスピリッツです。
ちなみに「カフェ」という呼び名は、Aeneas Coffeyさんというアイルランド人がこの蒸留器の特許を取ったことからその名が付けられました。1830年に初めてこのタイプの蒸溜器が作られ、現在、実際に稼働しているのは世界で数台というから驚きです!
ニッカ宮城峡蒸溜所にある巨大カフェスチル

ニッカのウイスキーと言えば、『余市』『宮城峡』といった銘柄が有名ですが、それぞれ、北海道の「余市蒸溜所」、宮城県の「宮城峡蒸溜所」で作られています。
カフェスチルがあるのは宮城峡蒸溜所の方です。1962年、かつては神戸の西宮に設置されたこの蒸留器ですが、1999年に宮城峡蒸溜所のある仙台に移転されました。詳しいいきさつを知りたい方はニッカのホームページに説明がありますのでご覧ください。
わたしとわたしの嫁は、宮城峡蒸溜所の見学に行ったことがありますが、カフェスチルの実物は見学することができませんでした。しかし、ガイドさんに聞いた説明から、蒸溜器のあまりの大きさには驚きました。なんと、↓の建物下から上までの高さの蒸溜器らしいですよ!

実際の写真は、楽しいお酒.JPさんのサイトにありましたので、気になる方はご覧になってみてください。
この蒸留器で作られるベーススピリッツが「カフェ蒸溜液」と呼ばれるものです。麦芽ととうもろこしのスピリッツが別々に蒸留され、他県に運ばれてボタニカル(風味付けの素材全般のこと。スパイス、柑橘、ハーブなど)と共に再蒸留された後、最終的にブレンドされると『カフェジン』が出来上がります。詳細はニッカのサイトに図解されていますのでご覧ください。凄く手の込んだ作業ですね!!
カフェジンの味わい
使われているボタニカル
和山椒が特徴的なボタニカルですが、なぜ和山椒が選ばれたかと言うと「緑」を思わせるイメージにしたかったということからだです。海外のジンで緑といえばライムをボタニカルとして使うことが一般的ですが、日本の素材で緑を表現したかったとのことで山椒が選ばれたということで、その緑のイメージはラベルの緑色にも表現されていますね!
柑橘が三種類使われているのもとても興味深いです。ゆずとかぼすで和の柑橘感が感じられて、甘夏によって甘みも演出されているので、数種類の方向性のある柑橘を複数使っているのも相乗効果を発揮していますね。
その他にもリンゴが使われているのが特徴的ですね。リンゴが甘さのアクセントになっていてスルスルと飲み進められるようになっています。
テイスティングノート

まず飲む前から山椒の香り高さが漂ってきます。和のスパイスでは最高峰の香り高さと言っても過言ではない和山椒ですので、まずこの香りにノックダウンされますね。そこはかとなく香ってくる柑橘の香りも非常に心地良いです。
口に含むと山椒のピリッとした香りをまず感じられます。そしてジュニパベリーのほろ苦さもそれに続いて強く感じられますね。そして、最後に鼻に抜ける柑橘の風味がたまらないですね。
和山椒なのでスパイシーなのはもちろんですが、その方向に振り切らずに、柑橘の清涼感とりんごによる甘さによってバランスが取られていて、最高に美味しいジンに仕上がってます!!
実は料理にも合う。カフェジン

我が家では和食を食べる時のドリンクとして、かなりの確実でカフェジンのジントニックを飲んでいます。トニックのを合わせると甘みが相乗効果になって、お出汁を使った料理とも合うんですよ。
↑写真は、山椒つながりでうなぎと合わせてみたんですが、同じ方向性の味でとても美味しかったです。他にも冬にあったかい鍋料理を食べながら、ジントニックでサッパリするなんて最高ですのでオススメです!
「World Gin Awards 2022」においてCountry Winner受賞
Our Country Winners for the #WorldGinAwards 2022 have now been announced! A huge congratulations to everyone who entered and especially those who have now made it through to the next round. See the full list of winners here: https://t.co/DebFldrJRe pic.twitter.com/Bm55OoLnkI
— World Drinks Awards (@TheDrinksAwards) January 21, 2022
毎年開催されている世界的なジンのコンペティション「World Gin Awards」。2022年度の結果の速報が1月に出されました。
なんとニッカカフェジンが、Japanese contemporary gin部門(ニューウェーブ的なジンの日本国内順位)の最高賞である「Country Winner」を受賞しました!
この結果は品評会のRound 1での受賞ですが、「Country Winner」だけが世界の最高峰を決めるFinal roundに進むことができます。カフェジンはすでに世界中でファンが多いのですが、これでさらに認知度が増すことでしょう。おめでとうございます!!
詳しく結果を知りたい方は、こちらからご覧ください。
最後に
個人的に最強の推しジンの1つ『ニッカカフェジン』。いかがでしたでしょうか。
ちなみにわたしはジンを飲んだことがない人にも積極的にジンを飲ませてジン布教活動をしているのですが、カフェジンは必ず薦めるジンの1つで、飲んだ人はそのジンの美味しさに驚くほどジン初心者にも受け入れられるような素晴らしい味を持っています。
ビギナーから上級者まで飲む人を選ばないジンですので、気になる方はぜひ試してみてください。
では、今回もお読み頂きありがとうございました!
|