今回の記事では、ビール作りに無くてはならないハーブ【ホップ】について解説します。
ホップとは

英語表記:HOP
和名:西洋唐花草、毬花
アサ科の植物でつる状に実をつけます。一般的に雌花がハーブとして使われるもので、「毬花」と呼ばれています。
温帯湿潤気候で良く育ち、主要生産国はエチオピア、アメリカ、ドイツ、中国、チェコなど、世界中で生育されています。日本でも生育されていて、岩手県が第一位の生産量を誇っています。
ビールの主成分の1つ
ホップはビールに苦みや香りを与える素材としてなくてはならない素材です。ビールの大まかな製造方法は下記の通りです。
- 大麦に水と空気を与えて発芽させます。この時に「でんぷん分解酵素」が作られる。
- 発芽した後にそれを乾燥させると麦芽(モルト)となる。
- 麦芽に水を加えることによって、でんぷんが糖に分解される。
- ホップを加え煮立てることによって麦汁が出来上がる。
- 麦汁に酵母を加えて発酵させる。
- 1 – 10日間程寝かせるとビールになる。
- 味の角を取るために短期間の熟成。澱(おり)が出てくるので、濾して完成です。
ホップの歴史
ホップが登場した一番古い歴史として、1世紀のエジプトという説が有力です。その時には野菜として扱われていました。その後、初めて栽培をしたのがドイツであると言われています。
ビール自体の起源は紀元前9500年程と言われ最古の飲み物の1つですが、ホップは古代のビールには加えられていませんでした。9世紀になって初めて、フランスの修道院においてホップがビール作りに利用されたという記録が残っています。
11世紀以降になってビールにホップが大々的に使われるようになり、現在ではビール造りにおいて必須の素材とされています。
ホップには防腐作用もありますので、水の綺麗に保存する設備がなかった中世においては、子供でさえも水の代わりに薄いビールを飲んでいたそうです。
また中世の時代から、メディカルハーブとして効果が高いことにより、ハーブティーが民間療法にも取り入れられていました。
ホップの香り 効能
ホップの香りは、柑橘の様な香りだったり、青いグリーンな香りだったり、フルーティだっとりとホップの種類によって様々あります。ビールの製造段階において、ホップを加え煮立てる内にその香りが飛んでしまい実際に残る風味はわずかとなりますので、各メーカー、どの様にホップの香りを残すかというところで工夫しています。
ホップはハーブティーにも使用されることもあり、ホップ自体のハーブの効用の代表的な例として、ホルモンバランスを整える機能があるということが挙げられます。
女性の月経時の不安を和らげたり、生理痛の緩和にも効果があったり、更年期障害にもとても良いということで、女性の為のハーブティーとも言われています。逆に、男性が摂り過ぎると性欲減退を引き起こす恐れもあります。
また、その苦み成分によって消化促進やむくみ解消と言った効用もあります。
意外な効用として、ホップから抽出した成分が花粉症の症状の緩和に効果があるとサッポロビールが発表しました。こちらの産経新聞の記事からご確認ください。
ホップの味とビール以外の使用方法
ビールの苦み成分に与える役目を持つことから苦み成分があります。しかし、ホップの実はそのまま食べることはできませんので、そのエキスを抽出するというのが一般的な使用方法です。
ハーブティー

女性にオススメしたいのがハーブティーです。女性のホルモンバランスを整える作用がありますので、月経時や更年期に効くとされています。
クラフトジン

ジュニパーベリーを使っていればその他の素材は何を使っていてもOK、というのがジン製造のルールです。一般的なジンにはホップは使われていませんが、作り手によって個性がある”クラフトジン”にはホップを使って作られているものが存在します。うっとりするような苦みがあり、美味しいジンが多いですね!
最後に
今回の記事ではホップについて解説させて頂きました。
ビールに使われることはもちろん多いのですが、それ以外にも実は、女性向けのハーブティーとしても効果的なんです。
ホップはドライのものがハーブティー屋さんでも売られていますので、気になる方はぜひお試しください。
|
では、次の記事では、ホップが使われているジンを紹介していきたいと思います。
他のスパイス&ハーブについても解説しておりますので、下記一覧のページからチェックしていただけるととても嬉しいです。