今回の記事では、古くからヨーロッパで重宝され「聖なるハーブ」と呼ばれている、【セージ】について解説していきます。
セージとは
英語表記 Salvia officinalis, Common Sage, Garden Sage
和名 ヤクヨウサルビア
英語ではユリ科を総称してセージというのが正しく、一般的に流通して使用されているセージは「コモン・セージ」や「ガーデンセージ」と呼ばれます。
セージには、’Salvia officinalis’という他の呼び方がありますが、Salvia = ラテン語:Salvare (救う)という言葉が由来であり、このハーブが古来から聖なる力を持っているとして扱われきたことを指し示しています。
ユリ科の多年草。50cm~70cmの高さまで育ち、紫や白色の花を咲かせます。
葉っぱの部分が料理 / 医療 / アロマ用として利用されます。
主な原産地は地中海北岸となっておりヨーロッパで料理に使われる機会が多いのですが、アメリカ大陸にも種が伝来した後は、北米料理にも使われることが多くなりました。
セージの歴史
一番古い歴史として、4000年前のエジプトでセージは不妊治療に使われていたという記録があります。
時代は進み、古代ローマ人は消化促進のための生薬として利用しておりました。特に脂肪の多い肉料理を食べた食後に服用していたとのことです。
抗炎症作用もあり、傷口にセージを煮詰めた薬を塗っていたという記録が、ローマ時代の医師によって残されています。その他にも“ほぼすべての病気の治療に役立つ”とされ、ヨーロッパで大変重宝されていました。
特にフランスで栽培されハーブティーに使われるようになり、初代神聖ローマ皇帝であるカール大帝がセージ農園を作り栽培を命じる程になりました。
彼は医療の学校を設立した際に、最も医療用として役に立つハーブとしてセージを称えましたが、修道院にセージが植えられる習慣の元になったのもこの時代からとのことです。“Salvation Plant = 救いの植物”と言われ、医療用の他にも魔除けの役割を持つと考えられ、様々な儀式に利用されていました。
その後、中世にはアメリカにも持ち込まれ、現在は地中海のみならず様々な地域で栽培されています。
セージの香り 効用
ハッカの様な爽やかで、また、ヨモギの香りにも似たグリーンさもある香りを持ちます。
その爽やかな香りがイライラを抑えてくれたりと、ストレス解消の効果があるとされています。
古代から使われている通り、特に胃腸の不具合に効果があり、消化不良の解消や食欲増進にも役立ちます。
また、抗炎症作用があることから、喉の痛みに効いたり歯茎が炎症を起こしている場合にも利用できます。
さらには、抗酸化作用もあり更年期障害の治療や老化防止にも役立つという、本当に万能なハーブですね。
セージの味と使われている料理
セージの味は、他のハーブと比べても香りが強く、とても複雑な味わいを持っています。
その味は、土の香りの様な暖かみを持ちながら胡椒の様にピリッとしていて、また、ミントやレモンの様な爽やかな風味も同時に持っています。
ソーセージ
ヨーロッパではハーブを練りこんだソーセージが一般的に売られていますが、セージはかなりの頻度で使われているハーブです。
その爽快感のある風味から、白ワインととても相性が良いですね。
お肉の臭み取りとして利用できますので、挽き肉料理に大活躍です。
七面鳥の丸焼き
アメリカで毎年11月の第四木曜日に行われる「感謝際(サンクスギビングデイ)」では、七面鳥の丸焼きが必ずと言っていう程調理されています。
セージは、七面鳥のお腹の中に詰めるハーブの代表格として扱われています。お肉の風味づけや臭み取りとして使われ、アメリカでも愛されてるハーブです。
セージバター
ハーブが練りこまれたバターもヨーロッパでは一般的ですが、セージが使われているセージバターは、とても風味が高く、料理に使えば味が格段に良くなります。
セージは乳製品との相性もとても良いので、他にも、チーズに練りこまれていたり、クリームパスタに使うハーブとしても大活躍します。
ハーブティー
セージはその効能が万能的なことから、ハーブティーに入れて飲むととても健康面に良いです。
喉の痛みにもとても効きますし、更年期が気になる方などもぜひ試してみてはいかがでしょうか。
最後に
今回の記事ではセージについて解説させて頂きました。
とても万能な効能をもつハーブで、ヨーロッパでは古来より聖なるハーブとして重宝されてきました。
あまり手をかけずともすくすく育ちますので、苗とプランターを用意を用意して家庭菜園で育てるのもとても楽しいです。
スーパーのハーブコーナーでも調理用ハーブが普通に売られていますので、是非買ってみてハーブティーから試してみて下さい。
では、次の記事では、セージが使われているジンを紹介していきたいと思います。
他のスパイス&ハーブについても解説しておりますので、下記一覧のページからチェックしていただけるととても嬉しいです。