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スパイス&ハーブ解説 【オールスパイス】名前の通り万能のスパイス

さっとん
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こんにちは。さっとんです。

今回の記事では、「全てのスパイス」という名前を持ちますが単体のスパイスで、様々料理に万能に使えるスパイス・オールスパイスについて解説していきます。

オールスパイスとは

英語表記 Allspice

スペイン語表記 Pimenta Dioica

和名 百味胡椒、三香子

別名 ジャマイカンペッパー

私(さっとん)は、スパイスを知り始めた頃に間違った思い込みをしていて、オールスパイスという名前から、色々なスパイスを混ぜたミックススパイスの様なものかな~などと思っておりました。

実際は単体のスパイスで、様々な風味をもつことからその名を名付けられたとされます。

詳しく記述すると、シナモン、ナツメグ、クローブの風味を持ち、さらにジュニパーと胡椒で味付けされた様な味をもつことから、そう呼ばれ始めたそうです。

フトモモ科の常緑樹に成る実を乾燥させるとスパイスになりますが、熟しすぎるとその風味を失うため、まだ未熟なうちに収穫され天日干しされます。

料理に使われる時には、挽いて粉(パウダースパイス)にされた状態で使われますが、パウダーにすると短期間でその風味が飛んでしまうので、実(ホールスパイス)のまま保管して、使う時に粉に挽くのが良いでしょう。

ジャマイカが主要な産地であり、その他にもメキシコ、グアテマラなどの中米で主に栽培されています。

数あるスパイスの中ではとても珍しく、西半球のみで栽培されている唯一のスパイスです。

オールスパイスの歴史

中米のマヤ文明において紀元前2000年ごろから、ミイラの防腐剤として使用されてました。

そして、マヤ文明やその他の中南米の先住民たちの間で、チョコレートに香り付けをする材料として使われていました。

大航海時代にジャマイカに渡ったクリストファー・コロンブスがこのスパイスを発見しましたが、彼はオールスパイスをコショウと勘違いしてしまい、スペインに持ち帰り”pimienta(当時のコショウの意味)”と呼ばれるようになりました。

その後17世紀になってから、英国料理人にとって「オールスパイス」と名付けられましたが、

19世紀のナポレオン戦争の際には、足を温める目的とその防臭作用があることから、ロシア兵がブーツの中に入れていたとのことです。

戦前はオールスパイスの栽培量は現在よりも多かったのですが、残念なことに、第二次世界大戦の頃にオールスパイスの樹が広範囲で伐採されてしまい、かつてほどの量が流通していないとのことです。

オールスパイスの香り 効用

シナモン、クローブ、ナツメグを合わせた様な、独特の甘い香りを持ちます。

前述のロシア兵で触れましたが、抗菌作用があるオイゲノールという成分を含んでいることから防臭や防腐という目的で使われ、その効果から、精油にしたものは男性用化粧品や香水に使われています。

また、オイゲノールは歯や歯茎の鎮痛作用や口臭の予防という効果も持っています。

シネオールという成分も含んでおり、胆汁の働きを活性化させるという成分効果から、吐き気や消化不良にも効くともされています。

オールスパイスの味と使われている料理

シナモン、ナツメグ、クローブの風味を持つと言われているオールスパイス。

それらのスパイスと同様、ウッディで温かみがあり、薬っぽい味を持ちます。

ジャークチキン

オールスパイスは中南米が主な原産国ですので、当然その地方の料理で頻繁に登場します。

特にジャマイカのミックススパイス=ジャークスパイスが有名で、ジャークスパイスとは、オールスパイスと唐辛子や黒コショウ、クローブ、ナツメグなど、10数種類のスパイスをミックスしたものを指します。

ジャークスパイスをチキンにマリネして時間を置き、その後にグリルした料理がジャークチキンで、ジャマイカの代表的な料理の一つです。

バーベキューソース

バーベキューソースは、ケチャップやパプリカパウダー、その他数種類のスパイスを混ぜ合わせて作ることができますが、オールスパイスが入っているレシピもかなり多いです。

オールスパイスを加えることによって、味に奥行きをだすことができるということもあり、市販のバーベキューソースにも原材料として使われていることが多いですね。

ソーセージや肉団子などの挽き肉料理

シナモン、ナツメグ、クローブと同様、オールスパイスは肉の臭み消しにも有効です。

挽き肉料理というと、肉の臭みをいかに消すかということがとても大事になってきますが、オールスパイスを少量入れると驚くほど臭みを感じなくすることができます。

その他にも数種類のスパイスを練りこむソーセージの場合は、万能スパイスということもあり、他のスパイスとのバランスも非常に取りやすいですね。

牛肉の煮込み料理

オールスパイスと最も相性の良い料理と言われているのが、’お肉’と’トマト’です。

中でも、味の濃いお肉の煮込み料理にベストマッチしますので、牛肉が非常に良く合います。

シンプルにトマトと牛肉のシチューから、牛肉のカレーまで、この二つの食材とオールスパイスの組み合わせは最強と言えるでしょう。

スイーツにも フルーツパイなど

オールスパイスはスパイスの一種ではありますが、スイーツづくりの場面におきましてもかなり活躍します。

クッキーやケーキなどに使われたり、また特に、フルーツを使ったオーブンで焼くようなパイにはかなりの頻度で使われています。

チェリー、アップル、パンプキンのパイには必須と言っても過言ではないでしょう。

最後に

今回の記事ではオールスパイスについて解説させて頂きました。

とても万能なスパイスで、スイーツにも使われ、また他のスパイスとの相性も良いバランス派のスパイスです。

お菓子作りなどされる方は、是非試しに使ってみてください。

では、次の記事では、オールスパイスが使われているジンを紹介していきたいと思います。

他のスパイス&ハーブについても解説しておりますので、下記一覧のページからチェックしていただけるととても嬉しいです。

今回もお読み頂き有難うございました!
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ABOUT ME
さっとん
嫁と共にクラフトジン沼にハマっているアラフォー料理男子。 2人でジンを買い続けて、家のコレクションはついに200本超え。 カレーも好きで、日々、スパイスカレー作りや、スパイス・ハーブにてついても研究してます。
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