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スパイス&ハーブ解説 【ローリエ】煮込み料理やスープで大活躍のハーブ

さっとん
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こんにちは。さっとんです。

今回の記事では、煮込み料理やスープを作る場面では非常に登場回数が多いハーブ・ローリエについて解説していきます。

ローリエ(別名:ローレル、ベイリーフ、月桂樹)とは

英語: Laurel、Bay leaf

フランス語: Laurier

和名:月桂樹

英語ではローレル、フランス語でローリエ、日本では月桂樹と呼ばれていますが、全て同じものです。

日本で料理に使われる際にはローリエと呼ばれることが多いので、以降、ローリエで統一して進めさせて頂きます。

ちなみにとても混乱するのですが、地中海沿岸で生息するローリエが「ベイローレル」と呼ばれたり、アメリカのカリフォルニア沿岸で生息するものが「ベイリーフ」と呼ばれたりと、地域によって呼び方が変わってきます。

また、インドカレーに使われるベイリーフは「インディアン・ベイリーフ」と呼ばれ、ベイリーフという名前が付きますがカシアの木になる葉で、厳密には違うものですので注意が必要です。

 

クスノキ科の常緑樹の月桂樹の葉っぱを乾燥させると、ハーブとして一般的に流通しているローリエになります。↓

ちなみに、月桂樹はギリシア神話のアポロンの霊木としてあがめられていて、スポーツ選手やアカデミック分野の名誉の象徴、月桂冠もこの月桂樹から作られています。↓

葉っぱを乾燥させたものが市場に出回っているハーブのローリエです。

ローリエの歴史

ローマ神話によると、川の神の娘ダフネが、音楽と詩歌文芸の神アポロンの求愛から逃れるためその体を月桂樹に変化させ、アポロンはその愛の記念にダフネの月桂樹の葉で冠を作り、生涯その冠をかぶっていたとのことです。

古代ギリシャやローマ時代から、芸術や文化的に優れた人物やスポーツ選手など、高い地位の象徴としてローリエが扱われてきました。

古代から料理にも使用されており、肉のあぶり焼きにローリエをまぶしたり、ローリエの実をつぶしてソースにしたとされています。

肝機能の回復としての効用があるとされ、高貴な人たちの間で流行してました。

中世にはヨーロッパ全域に広がり、料理用のみではなく、魔除けの象徴として霊的な効果も信じられていました。

もともとの原産地は、地中海東部のトルコやギリシャで生産されていましたが、現在では、ヨーロッパ全域、アジア、北アフリカ、北米大陸などでも広く栽培されています。

ローリエの香りと効用

古代の時代から、ローリエが胃腸の促進に最も効くと考られていて、消化促進や食欲増進の為に料理に使用されていました。

乾燥させた葉っぱは強い香りがあることから、煮込み料理や肉料理の臭み消しのハーブとして利用されます。

また精油にした場合には関節炎や筋肉痛に効くとされ、医療用の塗り薬としても使用されていました。

その他にも、ビタミン群が豊富に含有されていて、特にビタミンC、次いでビタミンAが多く摂れるということも見逃せません。

かなり香りが強いハーブですので好き嫌いが分かれる所ですが、ハーブティーやアロマオイルにも使用することができます。

香りは、清々しい清涼感がありながら甘い香りのユーカリ香を持ち、生の状態よりも乾燥させた方がその香りが高くなります。

ローリエの味と使われる料理

ローリエは煮込み料理などによく使われていて、煮込むことによって甘い風味が煮汁に溶けだします。

生の状態では苦みがありますが、乾燥させることにより苦みが抑えられて、甘みと風味が増してきます。

煮込みすぎると苦みが出てきてしまいますので、時間の調整はとても重要ですね。

ブーケガルニ

フランスやイギリスで煮込み料理に使われる、数種類のハーブを束ねたものです。

ローリエ、タイム、パセリ、タラゴンなどが主に使われます。

スープや煮込み料理の風味付けと肉の臭み消しに有効で、家庭料理からプロまで幅広く使われています。

ポトフやミネストローネなどのスープ料理

ローリエが真価を発揮するのは、やはりスープなどの煮込み時間がある料理ですね。

その甘く爽やかや風味がスープに溶けだして、味を深いものにします。

長時間煮込むと苦みが出るので、ある程度の時間煮込んだらサッと取り出すのがポイントですね。

ボロネーゼやロールキャベツなどの挽き肉の煮込み料理

ボロネーゼやロールキャベツなどの挽き肉を煮込んで作られる料理にも、かなりの頻度で使用されます。

ローリエを使うことにより風味付けもできますが、それより重要なのが挽き肉の臭み消しです。

ローリエの強い風味で匂いをマスキングすることによって、挽き肉のえぐみを消すことができます。

バーベキューの際に肉のマリネ液(漬け込み液)として

バーベキューでお肉を焼く際に、前日からハーブとオリーブオイルのハーブ液に肉を漬け込むと、ハーブ風味のバーベキューになります。

漬け込むハーブはレシピによって様々ですが、タイム、セージ、ローズマリーなどに並んでローリエも良く使われるハーブです。

風味付けはもちろんのこと、ここでも肉の匂い消しに役立ちます。

最後に

今回の記事ではローリエについて解説させて頂きました。

清涼感のある風味と甘い香りを持ち、西洋料理の場面では食材の匂い消しにかなりの頻度で登場します。

風味もとても良いので、スープや煮込み系の料理に一枚入れて煮込むだけで、料理のレベルが一段上がるような、そんな便利なハーブです。

また、他のスパイス&ハーブについても解説しておりますので、下記一覧のページからチェックしていただけるととても嬉しいです。

今回もお読み頂き有難うございました!
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ABOUT ME
さっとん
嫁と共にクラフトジン沼にハマっているアラフォー料理男子。 2人でジンを買い続けて、家のコレクションはついに200本超え。 カレーも好きで、日々、スパイスカレー作りや、スパイス・ハーブにてついても研究してます。
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